![]() このアルバムは、セシル・テイラーが1999年に、レーベルであるFMPが主催するTMM(トータル・ミュージック・ミーティング)に出演したときの模様を記録したものである。 パーソネルはテイラーのほか、フランキー・ダグラス(g,voice)、トリスタン・ホンジンガー(cello)、アンドリュー・シリル(ds,tymp)である。 演奏は、コレクティブ・インプロヴィゼーションで全速力で突っ走るというのではなく、それぞれの楽器の特性を生かしたインプロヴィゼーションの積み重ねといった印象が強い。 特に、チェロが入っている分、落ち着いた印象を受ける。 そして、テイラーとギターのダグラスが担当するヴォイスが入ってくると、演劇性が増し、スピリチュアルな雰囲気が漂ってくるのも面白い点である。この辺は、アート・アンサンブル・オブ・シカゴに通じる点でもあるのだろうか。 テイラーのピアノは、パーカッシブではあるが、アンサンブル全体を包み込むような雰囲気を持ち、刺々しさが無く、ふくよかささえ感じさせる。 シュミットが特に気に入ったのは、ギターのフランキー・ダグラス。 目立ちすぎることなく、ほどよく押さえ込んだ彼の演奏はとても好印象である。ギターのインプロヴィゼーションというと、とかく音数が多くなったりノイジーになったりしがちだが、そんなことなく、デレク・ベイリーとはまた違った味わいを聞かせてくれる。 そして、チェロのホンジンガー。 もともと、チェロという楽器が好きなのであるが、ここではクラシック音楽で聴かれるチェロとはまた違った音色なり雰囲気が聴けて興味深い。チェロの裏の面を聴かせてもらったという感じか。 全体的には、非常に良くまとまったユニットという印象である。 打ち合わせやリハーサルも、念入りに行われたのではないだろうか。 そして何よりも重要なのは、ジャズ的な香りが全くなかったことか。 現代音楽や民族音楽(これには日本の伝統音楽も含まれる)的アプローチを強く感じさせ、実にカラフルなテイラーの音楽世界を現出させていたことである。それとも”Incarnation”というタイトルが示すように、何かしら宗教的な意味合いもあったのだろうか。 このカルテット、99年当時のテイラーにとっては最高の組み合わせだったのではないだろうか。 ・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・− Cecil Taylor Quartet "Incarnation" (Bishop Records:EXIP 0119) Cecil Taylor(pf,voice) Franky Douglas(g,voice) Tristan Honsinger(cello) Andrew Cyrille(ds) 01. Focus 02. Carnation 03. Cartouche 評価:★★★★★(実に満足) ・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・− 下のバナーを↓ポチッとワンクリックお願いします。 by schmidte | 2006-08-16 16:29 | JAZZ
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